F1中国GPのスプリントでフェルナンド・アロンソに科されたペナルティに対し、アストンマーティンは再審請求を行なっていた。FIAはヒアリングの結果これを退け、その理由を説明した。
中国GPのスプリントでアロンソはレース終盤にフェラーリのカルロス・サインツJr.と接触。結果的にアロンソはパンクでリタイアとなったが、接触の原因を作ったとして10秒のタイム加算ペナルティとペナルティポイント3点を科された。
■物議を醸すマグヌッセンのペナルティ上等ディフェンス。マクラーレン代表も語気強める「この業界にはフェアな人間が生き残るべき。全く容認できない」
チーム側はマイアミGPを前にこの一件について再審請求を行ない、5月3日にチーム側の提出した新証拠についてのヒアリングが実施された。
アストンマーティンが提出した新証拠はアロンソのマシンの前方のカメラ映像。これはペナルティが下された際には、スチュワードが利用できなかったモノだ。
ただ審議ではこの証拠について、新しく関連性のあるものであることは認められたものの、重要性は認められず、再審請求は却下された。彼らは、ペナルティを下した時点で判断を下すために十分な映像があり、新たなカメラアングルも重要ではないと判断している。
スチュワードによる再審請求の却下に対する説明は、以下の通りだ。
「新たな要素として示されたモノは、14号車(アロンソ)の前方のレーシング映像で、これは当初の判断の際にアストンマーティンとスチュワードが利用できなかったもので、スプリントセッション後にF1によってダウンロードされたものだ」
「スチュワードは様々なカメラアングルからのこのインシデントの映像を保持していたが、この映像は入手していなかった」
「アストンマーティンは再審請求の提出書類の中でこの新たなカメラアングルが、問題の事故がレーシングインシデントであり、ドライバーにペナルティを科すべきではないことを示すものだと示唆していた」
「我々が決定を下した時点で、この映像は入手されていなかったが、我々はこの映像が新たな“重要な”要素であるとは考えなかった」
「この新しい映像があった場合でも、我々が自分たちの決断に疑念を抱いたり、インシデントに対して新たな視点を与えられたりすることはなかっただろう」
「他のカメラアングルの十分な映像が存在していて、決断を下すための十分な根拠になっていた」
なおアストンマーティンのマイク・クラック代表は中国GPでのペナルティなどを受け、他のインシデントへのペナルティが無い一方で自陣のドライバーが科される事態を「不公平だ」と感じ始めていると話していた。
またマイアミGPスプリントでアロンソは、オープニングコーナーのインを差したルイス・ハミルトン(メルセデス)と接触。このインシデントについてハミルトンが審議対象となったものの、その結果お咎めなしとなっているが、アロンソはハミルトンがペナルティを免れたのは「スペイン人ではないから」と示唆。ペナルティのより公正な運用に向け、FIAと話し合いたいと語った。
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